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He said I was a Flower of the Mountain

お久しぶりです。先週末は友人と後輩に会いにイングランドに行っていたので、ブログもお休みしました。気づけばアイルランドに来て一ヶ月が経とうとしておりますが、その間に現地の銀行口座を開設し、ビザを取得し(他の国と違い、アイルランドは入国後ビザ  [正確には Certificate of Registration 移民局登録証] を申請する)、学生証を貰い、生活の基盤も整ってきました。後は下宿先ですが(現在は知り合いに紹介してもらったゲストハウスに居候中)、これも来週中に決めたいと思っています。

 

さて、「四月は最も酷い月だ」(April is the cruelest month ...) と言ったのは T. S. Eliot (1888-1965) ですが、四月は天候も優れず、なんとなく気分も滅入る日が多かったダブリン。五月に入ってからはがらりと天気が変わり、快晴の日が続いています。そして予報によると今日はなんと最高気温16度!! これは外出しなければ勿体ないと思い立ち、ホース (Howth) まで足を延ばしてきました。

 

ホースはダブリンの北にある半島(とその街)で、DART (Dublin Area Rapid Transit)

という市内線に乗って25分ほど(ピアス駅から)。

 

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'Dear Dirty Dublin' に比べると、ホースは景観が綺麗なのは勿論、

立ち並ぶ店や家もお洒落で、日本で言えばさながら葉山の様な雰囲気。詩人や大学教授がここに住みたがるのも納得出来ます(笑)

 

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半島なのでホースの見所は海景なのですが、中心部は丘陵地帯でちょっとしたトレッキングの名所としても知られているみたいです。案内板にあるように、距離と難易度別に四つのコースがあります。

 

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どれにしようか迷ったのですが、日頃の運動不足の解消のためにも、

一番難易度の高い全行程10キロの  'Bog of the Frogs' を選びました。

 'Bog' とは「泥炭の湿地」のことですが、何故こういうコース名が付いているかと言うと、実際に通る場所の地名から来たのでしょう。ボグといえばコネマラ (Connemara)などアイルランドの西部が有名なので、こんな東部の果てにもあるのかと、少しびっくりした次第です。

 

さて、それでは 'Bog of the Frogs' の光景をどうぞ!!

 

 

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左の岬の上に見えるのがマルテロ塔。ここにもあり。

 

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高度が上がって来ました。天気も良く、三連休ということもあり、行楽客は結構いました。外国人(非アイルランド人)が多かったかな。

 

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断崖絶壁という感じではないけど、結構斜度はありました。落ちたらまず助かりません(笑)

 

 

 

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華はともかく花にはめっぽう疎いので何の花なのかは分かりませんが、同種の花が

結構辺りに咲いていました。

 

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行程の1/3くらい。見えにくいけど岬の上に灯台があります。

 

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石垣の上から馬(ケッテイかも?)がひょっこり顔を出しました。農耕用なのか移動用(湿地を馬で駆けている人がいた)なのかは分かりません。

 

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 高低差があり、地面もごつごつしていて、危ないといえば危ないのだが、結構子供や高齢者の方にも会った。残念ながら山ガールは少なし(笑)

 

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「注意!! 崖危険!!」とか思いっきり標識に書いてあるのに、そんなことおかまい無しに愛を囁き合うカップル。「吊り橋効果」ならぬ「断崖効果」でしょうか(笑)?

 

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 コースの最南端部近く。ここから半島中央部に進路を変え北上します。

 

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後半部は比較的なだらか。ゴルフコースでも敷けそうな土地だなと思っていたら。。。

 

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本当にゴルフコースを横切りました(笑)いいのでしょうか?

たらたらと歩くカップルを見て、ゴルフを進めたいおじさま方はいら立つ始末。

 

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指輪物語』に出て来そうな、神秘的な雰囲気をたたえた森林を通り(ボグはこの前)。。。

 

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無事ホース駅に戻ってまいりました。休憩を入れず、三時間弱で一気に行程を完歩しましたが、もう少しゆっくり歩いても良かったかなと思います。おかげでいい運動になりました! 駅前のバーでギネスでも一杯ひっかけて帰りたかったですが、それは今度にとっておくことにします(笑)

 

(おまけ)

 

ホースは『ユリシーズ』とも関係が深い土地です。主人公の一人であるレオポルド・ブルームが妻のモリーにプロポースしたのがホースの丘。床についたモリーの「独白」からなる『ユリシーズ』の最後の挿話の「ペネロペイア」では、その時の回想が綴られます。

 

'... the sun shines for you he said the day we were lying among the rhododendrons on Howth head in the grey tweed suit and his straw hat the day I got him to propose to me yes first I gave him the bit of seedcake out of my mouth and it was leapyear like now yes 16 years ago my God after that long kiss I near lost my breath yes he said I was a flower of the mountain ... ' (18: 1571-76) 

 

「。。。太陽は君のために輝くって灰色のツイードのスーツと麦わら帽子を纏った彼は言ったわホースの丘のツツジに囲まれて私たちが寝転んだ日だったわそして私は彼からプロポーズの文句を引き出したのいいわよ最初わたしがキャラウェイ種のケーキのかけらを口移しであげたのそのときは今年とおなじ閏年だったわ16年前ねほんとその長いキスをした後は窒息しそうだったわよいいわよ彼は言ったわ君は山の花のようだよって。。。」(18: 1571-76)

 

 

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