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Bloomsday 2013

日本の皆さま、お久しぶりです。気づけば六月ももうすぐ終わりですね。生活環境も大分整って来たので(まだ細々とした家具は必要ですが)、本格的に研究を再開しました。カフェ、自宅、公園、人によって作業場所は様々ですが、筆者は結局図書館が一番落ち着くので、たいてい大学の図書館かアイルランド国立図書館(National Library of Ireland)にいます。図書館は週末閉館してしまうので、平日は作業して休日は休むというサラリーマン的な規則正しさで今のところ生活しています(笑)。休日は主に大学のプール(50m プール)で泳いだり、散歩したり、友人と会ったりしています(昨日はケンブリッジ時代の旧友と会いました)。他に趣味と言えば音楽ですが、もう少し慣れてきたらギターでも買おうかなと思っています。

 

とはいえ下宿ではとても大きな音を出して弾けなさそうなので、いずれは映画『ONCE〜 ダブリンの街角で』(2007)のグレン・ハンサードみたいに市内で路上パフォーマンス(正確には「バスキング Busking」という)ですかね(笑)。

 

 


Glen Hansard - Say It To Me Now (Live outside of ...

 

さて先週の日曜日ですが、ジョイス学者にとっては重要な日でした。ジョイスの代表作に『ユリシーズ』(1922)という小説があるのですが、その舞台が 1904年の6月16日なのです(一説によるとジョイスが未来の妻となるノラ・バーナクルに最初に会った日だからとか)。ジョイスの偉業を讃えるために、毎年この日にダブリンを始め世界中の都市で Bloomsday と称されるお祭りが開催されるのですが、流石ジョイスの「地元」ダブリンの Bloomsday は盛大でした!

 

Bloomsday はアイルランドではもはや国をあげてのイベントになっていて、国立図書館、University College Dublin(ジョイスの母校ー筆者の留学先でもある)を筆頭に様々な場所で講演・朗読・寸劇など色々な催しが行われていました。とても全ては見切れなかったのですが、その日の様子を写真でどうぞ!!

 

国立図書館の講堂でDr. Gerard Dineen による講演。題目は「ジョイスと欧州大陸の文学」。会場は立ち見が出るほど満杯。年齢層は結構高め。

 

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国立図書館の閲覧室。『ユリシーズ』の第9挿話「スキュラとカリュブディス」の舞台でもあります。筆者はいつも目の前の席で作業しています。

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国立図書館近くのDuke Street 沿いにある Davy Byrnes。『ユリシーズ』の主人公の一人であるレオポルド・ブルームが第8挿話「ライストリューゴーン族」で昼食を食べに立ち寄るパブです。その食事を再現して、この日のスペシャル・メニューはゴルゴンゾーラ・チーズのサンドイッチとブルガンディー・ワイン! 

 

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手前にいる紳士はエドワード朝のダブリンの市民の仮装をしています。筆者も第一回の Bloomsday を記念してスーツと黒の蝶ネクタイで洒落込みましたが、どうもフォーマルすぎたらしく、かなり浮いていました(苦笑)

 

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O'Connell 通りの横、Earl Street 北通りにあるジョイスの銅像。銅像の他にこの日はジョイスのそっくりさんも何人か目撃しました。

 

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O'Connell 通りを更に北上した所にある名門 Belvedere 高校。家系が苦しくちゃんとした高校に進学出来なかったジョイスを見かねた学長が特別に学費免除で入れてくれました。

 

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自伝的小説『ある若き芸術家の肖像』(1916)で主人公のスティーブン・ディーダラスが聞くお説教を暗唱するイエズス会の神父さま。はまり役でした(笑)。

 

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Belvedere の近くにある James Joyce Centre が主催する Walking Tour に参加しました。Eccles 通りの7番はブルームの家がある場所です。元のドアは James Joyce Centre に展示してあるのですが、最近ドアノブが何十年ぶりかにアメリカのジョイス・ファンから返却されたとか!

 

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街の南側。ジョイスの通った University College の旧校舎。今では創立者 John Henry Newman (1801-90) にちなんで Newman House という特別会場になっています。

 

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Newman House の向かいにある St. Stephen's Green。元々はギネス・ビール会社の創業者アーサー・ギネス(1724?-1803)の庭園だったようですが、今ではダブリンの市民の憩いの場。

 

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St. Stephen's Green にあるジョイスの胸像。『ある若き芸術家の肖像』で公園を横切るスティーブンは、自分の名前と同じことから、「僕の公園だ」などと不遜にも考えます。

 

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以上で Bloomsday 2013 の写真は終わりです。来年は『ダブリンの市民』の出版100周年。きっとBloomsday も一層盛り上がることでしょう。この一年でジョイス・ネタをもっと仕込み、より充実したレポートが出来るよう頑張りたいです!

 

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